プロポーズの有効期限は短めに。

24歳の時、最新のがんの放射線療法に取り組む病院からオファーを受け海外での仕事が決まりました。当時、私には恋人がいました。海外に発つ前の記念旅行中に、彼からお互い30歳になるまでは必死に仕事をして、30歳の時、お互いがフリーだったら結婚しようと言われました。私はうんと答え、幸せいっぱいの気持ちになりました。

海外に出た私は、文字通り必死に働きました。彼も必死に働いていたのだと思います。だから、最初のうちこそ、毎日だった連絡がほとんどなくなるまで1年とかかりませんでした。ああ、大学1年の時からの付き合いだったけれど、もう終わったんだなと思いました。

それから数年後、私が30歳になった年のお誕生日でも何でもない日に、久しぶりに連絡が来ました。彼の親友が結婚したから、自分たちもそろそろどうだろうかと言うのです。3年以上、ほぼ音信普通だったので戸惑い、お断りしました。彼は約束したじゃないかと言って怒りました。でも、3年という時間は長く、私にとって恋人ではなく他人になるのには十分な時間でした。

今になって思えば、彼からの旅先での言葉が私にとって生まれて初めてのプロポーズでした。でも、有効期限が長すぎました。相手の性格にもよりますが、今からプロポーズをなさる方は、どうか有効期限は短めに。さっと決めてしまいましょう。